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活動経緯

2011年1月15日 第13回勉強会
審議会の実態、2人が報告
自由討議で今年のテーマ絞る

 2011年初の第13回勉強会を1月15日、東京・九段下のMSD本社会議室をお借りして開きました。今回は講師をお招きせず、正会員と賛助会員による「自由に語ろう、医療政策に求めること」というフリーディスカッション。25人が集まり、“車座”になって意見交換しました。
  前半は、患者の声を医療政策に反映させる場の一つである厚生労働省の審議会委員になっている世話人の本間俊典氏(厚生科学審議会難病対策委員会)と海辺陽子氏(社会保障審議会医療部会)の2人が、審議会の実態を報告しました。
  本間氏は委員の選任方法、委員会の開催要領、テーマ、傍聴など手続き面を中心に、海辺氏は主に審議内容について、それぞれ説明しました。
  両氏の報告から、1.医療問題という性格から、どうしても医師など医療側の意見が多くなり、患者側は情報面などのハンディから十分な意見展開ができず、“孤軍奮闘”になりやすい、2.両氏とも各所属患者会の代表として出席しているため、患者の声を横断的に集約している当協議会のメンバーとして意見を言う場面が限られる、などの共通した感想が出ました。
  参加者からは、「審議会などの場では、一患者団体としての意見は言えるが、患者全体として意見を言うのは、カバー範囲が広すぎてむずかしい」「厚労省に新薬の認可を要望しても、別の患者団体のからみで、患者同士の利害が一致しないこともある」「政治主導を掲げる民主党政権下では、審議会で意見答申しても、法案などにどこまで反映されるか疑問」といった意見が出ました。
  各種審議会への患者側の参加に大きな課題のあることは確かですが、政策決定に関与できる貴重な場の一つであることも事実です。どう有効活用していくか、さらに議論を深める必要がありそうです。

  後半は、2011年に当協議会が取り上げるべきテーマについて、参加者全員の意見を聞きました。
  まず、副代表世話人の伊藤雅治氏が、重要テーマとして社会保険、12年度の健康保険と介護保険の同時改定、曲がり角に来た難病対策などを挙げ、「どれも財源問題が壁になっている」と指摘しました。
  参加者からは、財源問題にからむ医療資源の配分や患者の負担増、医療のグランドデザインを描く医療基本法の制定、地域医療や専門医不足など医療提供体制、慢性疾患の患者サポート体制、高額医療問題、ドラッグラグの改善、予防医療の改善・充実などを求める声が相次ぎました。
  どれも、患者側にとっては切実な問題ですが、全体を通じて流れている問題意識は、現在の医療体制の行き詰まりと財政問題への強い懸念だったようです。
  患者の声・協議会としては、10年度に議論した医療基本法の実現を、引き続き政治・行政に働きかけると同時に、上記の個別課題についても勉強会を継続していく予定です。(文責・本間俊典)