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活動経緯

「超党派の議員立法」が視野、政党間でコンセンサス
2012年4月15日 第18回勉強会「医療基本法制定に向けて。今こそ!」

 第18回勉強会「医療基本法制定に向けて。今こそ!」を4月15日、東京・全社連研修センターで開き、パネラーも含め総勢120人が参加する最大規模の勉強会となりました=写真。
今回は、共催していただいた「患者の権利法をつくる会」(小林洋二事務局局長)、「医療政策実践コミュニティー(H-PAC)」の「医療基本法制定チーム」(前田哲兵リーダー)との3者による医療基本法の共同骨子を発表=詳細はこちら
  同時に、日本医師会の代表や主要6政党の国会議員をお招きして、実現に向けた展望を話していただくなど、立法化がいよいよ視野に入ってきました。
この日の勉強会は、医療基本法制定チームが3月25日に開いた「医療基本法シンポジウム」に続けて開催され、法制定の必要性を訴えた催しが相次いだことに、社会的な関心も大いに高まったようです。

 この日の発言者は以下の通り。
【プレゼンテーターなど】
▽患者の権利法をつくる会 小林洋二事務局長
▽H-PAC医療基本法制定チーム 田中秀一氏
▽患者の声を医療政策に反映するありかた協議会 長谷川三枝子代表世話人
▽医療政策人材養成講座(HSP)4期生医療基本法策定プロジェクト(参院議員)小西洋之氏
▽指定発言 日本医師会常任理事 今村定臣氏
▽総合司会 高島尚子氏(医療基本法制定チーム)
▽司会 埴岡健一(患者の声・協議会世話人)〕
【国会議員など】
鈴木寛氏(民主党参議院議員)
▽石井みどり氏(自民党参議院議員)
▽渡辺孝男氏(公明党参議院議員)
▽川田龍平氏(みんなの党参議院議員)
▽阿部知子氏(社民党衆議院議員)
▽小池晃氏(メッセージ、日本共産党政策委員)

 まず、3団体の代表が報告。田中氏はチームメンバーの立場から、小林氏は法制度の立場から、長谷川氏は患者を中心にした国民の立場から、それぞれ医療基本法の必要性を強く訴えました。
また、小西氏は市民活動と立法活動の両方を知る立場から、医療分野の法律や制度に、現在、どの程度の患者参画が実現しているかを解説し、「医療基本法が制定されれば、患者参画に大きな弾みがつく」と述べました。
指定発言の今村氏は、日本医師会内の医事法関係検討委員会が3月にまとめた「“医療基本法”に制定に向けた具体的提言」の内容を説明し、医療側の立場からみた法制定の必要性について「患者と医療側の相互信頼こそが最重要」と結びました=詳細はこちら

報告を受け、3団体がこれまで議論を重ね、同法に盛り込むべき内容を6項目にまとめた共同骨子を発表しました。骨子は、
1.医療の質と安全の確保
2.医療提供体制の充実
3.財源の確保と国民皆保険制の堅持
4.患者本位の医療
5.国民参加の政策決定
6.関係者の役割と責務、
となっています。これらを盛り込んだ「医療基本法」を早期に、超党派による議員立法によって実現することを要望しています。

制定時期は「次期通常国会」が大半

 これに対して、6政党(共産のみメッセージ)の国会議員のみなさんに、各党の取り組みや共同骨子のへの評価などについて発言していただきました=詳細はこちら
  各党議員の発言に微妙な違いはあるものの、「ここまで“要綱”ができていれば、後は法制化に向けて具体的なアクションを起こすだけ」(鈴木氏)、「骨子はよく練られており、高く評価したい」(石井氏)などの肯定的な反応が目立ち、各党に持ち帰って検討していただくことになりましたが、「超党派による議員立法」の可能性に大きく近づいたと言えそうです。
  制定時期については、今年の臨時国会(年内)から次期通常国会の会期末(来年6月ごろ)までの声がありましたが、次期通常国会とする見方が最も多く、その間、各党での検討や関係者のヒアリングなどが行われる見通しです。
医療基本法は1972年に国会に上程されながら廃案となりましたが、今回の3団体と6党の勉強会により、約40年ぶりに新たな内容で制定に向けて動き出すことになりました。