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活動経緯

2013年11月17日 第24回勉強会
医療・介護連携の必要性PartU
訪問看護事業協会の宮崎氏が講演

 第24回勉強会「医療・介護の連携の必要性・PartU」は17日、医療・介護政策は高齢化にどのように対応してきたか、そして今後の課題は何かをテーマにしました。

 今回は前半で、元厚生労働省医政局長で当協議会世話人の伊藤雅治氏が「医療・介護連携の政策展開と課題」、全国訪問看護事業協会事務局長の宮崎和加子氏が「訪問看護の現状と課題、看護・介護連携の新たな仕組み」と題して講演。後半はお2人にはばたき福祉事業団理事長の大平勝美氏(当協議会世話人)を加えて、パネルディスカッションを行いました=写真。

 伊藤氏は、戦後日本の医療政策を概観して、「高齢社会を迎えた現代は“激動期”にある」とし、高齢者医療・介護対策の変遷を解説しました。2000年に介護保険制度がスタートしましたが、予想を上回る高齢化速度や財政再建問題などが顕在化し、医療・介護制度ともに大幅な見直しが必要になっている実情を解説しました。

 宮崎氏は、訪問看護の現状、昨年から活発化してきた「訪問看護ステーション」や定期巡回・随時対応サービス、また複合型サービスへの取り組み、さらに「起業ナース」の活動などを紹介し、今後は「医療ニーズ対応型地域包括ケア」の拠点化をめざしていること。訪問看護師の絶対数が不足していること。看護と介護の連携が現場レベルの工夫にとどまらない制度的な融合が必要なことなど、現場目線から報告しました。

 パネルディスカッションでは埴岡健一当協議会世話人が進行役を務めました。大平氏は患者側の意見として、「高齢化と疾患の慢性化傾向で、患者の自助能力、家族の介護力は低下傾向にある。看護と介護が結合した医療福祉を支援する制度を早く構築すべきだ」と述べました。

 参加者からは、「介護にあたっている家族で訪問看護の存在自体を知らない家族も多い。目に見えるようなコーディネート機能を強化してほしい」という要望。「病院関係者は在宅医療・看護に対する意識が総じて低く、患者を在宅で治療できるわけがないと思い込んでいる」との指摘。「看護と介護の経営体が一つになって相談に乗れる場づくりが必要」といった提案が相次ぎました。

 宮崎氏は「両者が連携している地域がかなり増えてきた。患者側にはもっと声を出して、それぞれの要望をはっきり言ってほしい。医療や介護側の都合に合わせるのでなく、患者家族の生活の一部として医療・介護があるという認識を共有できたらいいと思う」と強調しました。