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活動経緯

2014年9月13日 第27回勉強会「医療連携」
連携の実現には患者参画が必須

 第27回勉強会「『医療連携』を患者視点から切る」を9月13日、東京・中野サンプラザで開きました。日本難病・疾病団体協議会の伊藤建雄代表理事をお迎えし、「難病2法と患者団体の課題」と題して基調講演していただきました。

 また、当協議会世話人である武川篤之・日本アレルギー友の会副理事長が「喘息(ぜんそく)死における地域格差と改善事例」、代表世話人の長谷川三枝子・日本リウマチ友の会会長が「医療連携〜リウマチの場合」の事例報告をしました。

 伊藤氏は、このほど成立した難病法と改正児童福祉法の基本理念の中に「国及び地方公共団体の責務」が盛り込まれ、都道府県などに「難病対策地域協議会」を設置する努力義務が定められた点に触れ、「自治体のレベルはさまざまで、今後、どうやって難病に対する意識を変えていくかが大きな課題」と述べました。同時に、伊藤氏の地元の北海道難病団体連絡協議会の医療連携に対する取り組みを紹介し、医療分野をはじめとする関係者の結びつきに果たした患者会の役割を紹介しました。

 武川氏は、ぜんそく患者の実態を紹介しながら、ぜんそくが原因で死亡する患者は減少しているものの、標準治療や専門医などの地域格差が存在している点を強調。かかりつけ医と地域拠点病院の連携などが重要として、そのためには「患者主体のチーム医療の推進が急務」と訴えました。

 これに対して、長谷川氏はリウマチ患者をめぐる医療連携の実情を紹介し、生物学的製剤による治療を続けていくうえで、病院と診療所の連携が必要。友の会として患者の要望を踏まえて、「医療提供側との情報共有を図っていることで、少しずつ連携が進んでいる」として患者会の役割を強調しました。

 後半のパネルディスカッション=写真=では、コーディネーターの埴岡健一氏(当協議会世話人)が医療連携のポイントとして@地域特性に合った仕組み作りAかかりつけ医と専門医の棲み分けと連携Bナビゲーター機能の患者への提供C連携の仕組みと情報の「見える化」D医療関係者と患者のパートナーシップE仕組み作りへの患者参画――を挙げました。

 また、伊藤雅治氏(当協議会副代表世話人)は、地域の医療体制にバラつきが生じ、連携が容易に進まない理由として、患者参画の原則が医療界や行政に浸透していない点を強調し、「それを担保する『医療基本法』の制定が必要」と述べました。