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活動経緯

2015年2月7日 第29回勉強会「地域医療計画が変わる」
行政、患者ら多様な立場から活発に意見交換

 第29回勉強会の「地域医療計画が変わる!患者・住民の参(画は」を7日、東京・中野サンプラザで開きました。都道府県による「地域医療構想(ビジョン)」の策定が2015年度から始まる旬のテーマとあって、講演者も含めると45人の参加があり、会場は満杯になりました。参加者の皆様、会場が狭くなってしまって申し訳ありませんでした。

 今回は4部で構成。(1)「制度改革が目指すもの」と題して、厚生労働省医政局の高山義浩課長補佐、千葉県健康福祉部の古元重和・保健医療担当部長(2)「患者・住民参画のあるべき姿と現状」と題して、患者の声協議会の長谷川三枝子代表世話人、地域医療計画実践コミュニティー(RH−PAC)の吉田真季世話人、同協議会の伊藤雅治副代表世話人(3)「患者・住民参画をどう促進するか?」と題して、日本脳卒中友の会の石川敏一理事長、滋賀県がん患者団体連絡協議会の菊井津多子会長、ささえあい医療人権センター(COML)の山口育子理事長――といった多様な方々にお話ししてもらいました。

(1) では、高山氏が政府の立場から「地域医療構想」がなぜ必要なのか解説。それを受けて実際に構想を策定する立場の古元氏が、自治体の現状を報告しました。その中で古元氏は、病院のベッド(病床)を「急性期」などに4区分して地域ごとの効率化を図る「病床機能報告制度」が始まる意義を強調しました。
(2) では、長谷川氏が患者や住民が自分たちの声を医療政策に反映させる必要性を強く感じていることを、アンケート調査結果を踏まえて解説。吉田氏は、RH−PACが昨年実施した都道府県アンケート結果を披露。これらを踏まえて、伊藤氏が今回の制度改正にあたっては、「担当職員だけでなく、多様なステークホルダーの参画を促すシステムの構築が必要」と述べました。

(3) では、石川氏が「脳卒中対策基本法」の制定に関する背景やプロセスを説明しました。菊井氏は、滋賀県がん対策推進協議会や同県医療審議会などの委員として地域医療に関わる活動を紹介し、「圧力団体としてではなく、行政や医療関係者とのコミュニケーションが重要」と強調しました。山口氏も、政府の各種審議会委員などへの豊富な参画体験を踏まえ、医療の現状や課題について「患者側も理解して、共に医療のあり方を考える姿勢が必要」と述べると同時に、協働できる人材育成の必要性を訴えました。

 最後に、同協議会の埴岡健一世話人の司会でディスカッションが行われましたが=写真、参加者の関心は「住民の参画」がもっぱらで、「どんな人材が適任か」「行政サイドの委員任命の基準は?」といった質問・意見が続出。これに対して、「審議会などの場では医療提供側の人たちが座長を務めるのが普通だが、座長らの意識によって議論内容は大きく変わる」(菊井氏)、「行政としては、委員の選出は公募やしかるべき団体の推薦などを通じて行っている」(古元氏)、「パブリックコメントできちんとした意見などを述べている人には注目している」(高山氏)など、住民参画の大きなヒントになる回答が相次ぎました。