Top > 活動経緯 > 第30回勉強会

活動経緯

2015年5月23日 第30回勉強会「医療政策への参画」
松田、伊関両教授が住民参画の必要とノウハウ語る

 第30回勉強会「住民が医療政策に参画するノウハウ〜データを知って、協議の場に臨もう」を5月23日、東京・中野サンプラザで開きました。講師とテーマは松田晋哉・産業医科大医学部公衆衛生学教室教授の「自分の地域の現状と将来をデータで知ろう〜取り組む課題が浮き彫りに」、伊関友伸・城西大経営学部マネジメント総合学科教授の「場を作り、提言する方法〜埼玉県『医療を考えるとことん会議』の事例から」のお二人でした。

 松田教授は、東京都の江東区と多摩市の2自治体の傷病別患者数などの医療圏別データを示し、大きな課題となりつつある要介護高齢者対策や民主的な医療・介護システムの構築などについて、各自治体がどのように対応すべきかを解説。自治体が公表している「介護保険事業計画」を理解したうえで、住民側も地域包括ケアの充実や長期間の「高齢期」をどう生きるかといった課題に取り組むことを提言しました。

 伊関教授は、昨年活動した「とことん会議」の座長を務めた体験から、医療・行政関係者の視点とは異なる県民目線の提言をどのようにまとめ、医療政策にどう反映させたかを振り返り、「今後は市町村レベルのとことん会議を開設して、患者・住民の意見をどう反映させるかがカギになる」と述べました。

 後半のパネルディスカッション=写真=には厚生労働省医政局地域医療計画課の佐々木昌弘氏も参加。住民参加の場をどう作るかについて、伊関教授は千葉県松戸市で起きた病院建設問題を事例に挙げて、「賛成反対のさまざまな意見を持つ住民による公聴会を開いて、公開の場で意見交換することが重要だ」と述べました。

 長谷川三枝子・当協議会代表世話人は「これまで患者代表と言えば“個別の疾患代表の発言”が多かったが、今は広い立場からの見方が必要である」と発言。佐々木氏は「住民代表、患者代表が審議会などの場に出てもらうことは歓迎だが、実際に誰に出てもらうかという人選には本当に苦労する」と行政サイドの悩みを打ち明けるなど、住民参画に課題の多いことも示唆しました。

 次回は8月1日を予定しています。