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活動経緯

2019年7月7日 第48回勉強会
「患者にとっての『医療基本法』」
「7項目共同骨子」の重要性確認

 第48回勉強会「患者にとっての医療基本法』」を7月7日、東京・中野サンプラザで開きました。サブタイトルを「なぜ必要なのか、患者会から提言」としたように、医療基本法が患者・家族にとってなぜ必要のかを改めて考えるのが狙いで、約30人の参加をいただきました=写真。医療基本法については、2月に制定に向けた超党派議員連盟が発足し、現在、同議連による当協議会を含む患者団体などからのヒアリングが進行中です。

 今回はテーマをわかりやすくするため、当協議会世話人の埴岡健一氏が、当協議会など3団体が16年4月に公表した医療基本法に盛り込むべき「7項目の共同骨子」(詳細)を軸に、基本法の制定運動過程や骨子の意味などを解説しました。

 個別事例として、患者会から世話人の武川篤之・日本アレルギー友の会理事長、内田絵子・ブーゲンビリア理事長、本間俊典・復生あせび会監事の3人が、それぞれの立場から説明。武川氏は、「アレルギー疾患対策基本法」が15年12月に施行されたものの、ぜんそくやアトピー患者らの苦悩は容易に緩和されないうえ、社会構造の変化によって医療提供体制の継続が懸念されることから、アレルギー分野も含む包括的な基本法が必要であることを強調しました。

 内田氏は、1994年に自身がシンガポールで乳がん治療をした体験などを踏まえて、日本では「患者中心の医療」を担保する法律がない点を指摘。具体的には、インフォームド・コンセント(医療側の説明と患者側の同意)の徹底などを挙げました。本間氏は、15年1月に施行された難病法以前の政府の難病対策を取り上げ、法律に基づかない政策の“いびつさ”を解説しました(資料)。

 参加者との質疑応答では、参加者が抱える疑問や不満などを個別に書き出してもらい、それが「7項目共同骨子」のどの部分に該当するかを話し合いました。「多くのがん患者が主治医の顔色を見て、考えを自由に言えない」「患者にとって重要なかかりつけ医の質の向上が急務」「訪問看護ステーションを開設したいが、診療報酬が低いため人材が集まらない」など、さまざまな意見や悩みが出ました。

 それらの問題点の背景などを議論したところ、ほとんどが「7項目共同骨子」に収れんすることがわかりました。それは、個別の医療政策を推進するにあたり、あらかじめ7項目を盛り込んだ医療基本法という網をかぶせておくことで、今よりよりスムーズでバランスの取れた政策が実現する可能性を示す結果となりました。