第51回勉強会「患者目線で考える『医療基本法』」を25日、オンラインで開きました。勉強会は20年2月に第50回を開いて以来、新型コロナウイルス感染拡大によって中断を余儀なくされていました。久々の勉強会は、当協議会が創設時から主要テーマに掲げてきた「医療基本法」の制定に向け、患者目線でどう考えればいいかを改めて議論するのが目的で、20人余の方々の参加をいただきました。

司会は世話人の遠山和子氏(日本呼吸器障害者情報センター理事長)が担当し、まず、世話人の埴岡健一氏(国際医療福祉大学教授)が「患者による患者のための医療基本法」と題して講演しました。

埴岡氏は、医療の地域格差やコロナ禍で露呈した医療の質の不安など、日本の医療の問題点を幾つか具体事例を挙げ、医療基本法の制定がなぜ必要かを解説。制定にあたっては、当協議会など3団体で打ち出した「共同骨子7カ条」を盛り込むことが必須条件であることを強調しました。(資料

続いて、世話人の武川篤之・日本アレルギー友の会理事長、内田絵子・ブーゲンビリア理事長、岡谷恵子・日本慢性疾患セルフマネジメント協会理事長の3人が、それぞれの患者活動の中で抱えている課題を挙げながら、そうした課題がなぜ医療基本法の必要性につながるのか、患者・市民の立場から具体的に主張しました。(武川氏内田氏岡谷氏資料)

医療基本法は国会で超党派議員連盟が結成されるなど、一時的に制定の機運が生まれたものの、コロナ禍もあって現在は中断したままとなっています。ただ、今回のコロナ禍で日本の医療体制のいびつさが露呈し、改めて基本法の必要性が明らかになったことから、これからも活動を続けていきます。 (文責・本間俊典=復生あせび会監事)